「まぶしくてみえない」 あとがきにかえて [創作]
新作SS「まぶしくてみえない」。不思議な経緯を辿った作品です。
最初は草壁さんの話を書こうと思い、筆を執った。巣立ちのエピソードに添えて、すぐそばにある"まぶしくてみえない"ものを描き出そうと、そんなことを思いながら最初の一行を書き始めたのがきっかけです。
しかし、そのために描かなければいけなかった「環の卒業」を描いている内、次第に作品のウェイトがそちらにシフトしていきました。筆が滑ったと言うよりは、『いいかげんには描けない』というような思いが頭の中にあり、それに従って書いている内に、それ単体で充分成立する話になってきたというのが正しい。抽出されていったテーマも、当初の狙いとは意味が違うものの、同じく"まぶしくてみえない"ものが中心(むしろ"まぶしくてみえなかった"という方が近いですが)。
結局、後半に登場する予定だった草壁さんは一行たりとも出てこずに、最初から最後まで貴明とタマ姉の別れを軸に展開する物語となりました。加えて、いつも大事にしている甘く幸せな世界観とは違い、作品を彩るカラーは悲しみの赤。ホッとする話を期待されている方、あるいは草壁さんの話に飢えている方には申し訳なく思いますが、たまのことですのでご容赦を。とりあえず今回は、気丈な女性ではなく、年頃の――、一人のか弱い少女であるタマ姉の姿を愛でていただければと思います。
それと、作品のタイトルにもなった「まぶしくてみえない」について少し。
曲名シリーズはZardの曲を中心に書いてきましたが、今回はこちらもまたいつもと違います。曲は『D.C.II ~ダ・カーポII~ VocalAlbum Songs From D.C.II』収録のもので、歌い手はyozuca*さんという方です。
アルバム名から判る通り、Windows用ゲーム『D.C.II ~ダ・カーポII~』の劇中歌。これをToHeart2の小説に使うのはどうなんだとも若干思いましたが、詩世界の景色がまさに描きたかったものとぴったり合致するので、ちょっと思い切ってみました。
CDを持っている方、あるいはD.C.IIをプレイしたことのある方は、どうぞこの曲を思い浮かべながら読んでみてください。ほんの少し、文章の表面には見えない何かが見えるかもしれません。
ちなみに、曲の歌詞は以下のリンク先でどうぞ。素敵な歌詞ですよ。
http://www.kasi-time.com/item-4312.html(歌詞タイム)
それではまた、次なる作品でお会いしましょう。
2008年3月15日 ――白詰草
~~~~~~~~~~~~~~
Web拍手レス
>レビュー?考察?読みました。白さん分析力スゲェなあ…
白:アマ作家としては三流以下ですが、読書家としてならせめて二流くらいには行けるんじゃないかと自負してます。最近はめっきりですが、学生時代は本の虫だったからなぁ。
最初は草壁さんの話を書こうと思い、筆を執った。巣立ちのエピソードに添えて、すぐそばにある"まぶしくてみえない"ものを描き出そうと、そんなことを思いながら最初の一行を書き始めたのがきっかけです。
しかし、そのために描かなければいけなかった「環の卒業」を描いている内、次第に作品のウェイトがそちらにシフトしていきました。筆が滑ったと言うよりは、『いいかげんには描けない』というような思いが頭の中にあり、それに従って書いている内に、それ単体で充分成立する話になってきたというのが正しい。抽出されていったテーマも、当初の狙いとは意味が違うものの、同じく"まぶしくてみえない"ものが中心(むしろ"まぶしくてみえなかった"という方が近いですが)。
結局、後半に登場する予定だった草壁さんは一行たりとも出てこずに、最初から最後まで貴明とタマ姉の別れを軸に展開する物語となりました。加えて、いつも大事にしている甘く幸せな世界観とは違い、作品を彩るカラーは悲しみの赤。ホッとする話を期待されている方、あるいは草壁さんの話に飢えている方には申し訳なく思いますが、たまのことですのでご容赦を。とりあえず今回は、気丈な女性ではなく、年頃の――、一人のか弱い少女であるタマ姉の姿を愛でていただければと思います。
それと、作品のタイトルにもなった「まぶしくてみえない」について少し。
曲名シリーズはZardの曲を中心に書いてきましたが、今回はこちらもまたいつもと違います。曲は『D.C.II ~ダ・カーポII~ VocalAlbum Songs From D.C.II』収録のもので、歌い手はyozuca*さんという方です。
アルバム名から判る通り、Windows用ゲーム『D.C.II ~ダ・カーポII~』の劇中歌。これをToHeart2の小説に使うのはどうなんだとも若干思いましたが、詩世界の景色がまさに描きたかったものとぴったり合致するので、ちょっと思い切ってみました。
CDを持っている方、あるいはD.C.IIをプレイしたことのある方は、どうぞこの曲を思い浮かべながら読んでみてください。ほんの少し、文章の表面には見えない何かが見えるかもしれません。
ちなみに、曲の歌詞は以下のリンク先でどうぞ。素敵な歌詞ですよ。
http://www.kasi-time.com/item-4312.html(歌詞タイム)
それではまた、次なる作品でお会いしましょう。
2008年3月15日 ――白詰草
~~~~~~~~~~~~~~
Web拍手レス
>レビュー?考察?読みました。白さん分析力スゲェなあ…
白:アマ作家としては三流以下ですが、読書家としてならせめて二流くらいには行けるんじゃないかと自負してます。最近はめっきりですが、学生時代は本の虫だったからなぁ。
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