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透明人間に告ぐ あとがきにかえて [ToHeart2]

あとがきにかえて

人の及ばぬ力、人智を越えた力…。そんなものに、心躍らせたことはきっと誰にもあるんじゃないかと思います。魔法の力がもし使えたなら? そんなことを、きっと誰もが思い描いたことでしょう。
小説を書くようになって長いですが、始めた当初から、いつか描いてみたいテーマとして、魔法の存在は常に頭の中にありました。
小説でしか書き得ない、フィクションでしかあり得ない、そんなことを文章に託して、読者も自分も夢を見てみたい――。ずっとそんなことを考えながらはや10年、ようやくその願いを形にできました。

……って、その結果がこれかよ!(笑

いや~、なんでしょうね、この熱でぶっ倒れている時に無理矢理キーボードを叩きながら妄想にふけっているみたいな、暴走した話は。
しかも、無駄に長いし(笑)。前編~後編まで全部あわせて、336枚って。
これだけで、ひとつの長編としてちょっと薄い文庫本が出せるじゃないか。
大丈夫なのか? 読者はちゃんと最後まで読んでくれるのか? つーか、これ面白いのか?
いろいろと心配なことはありますが、それでも書いてしまったものはしょうがない!
ええいままよ、どうにでもなりやがれとサイトにアップロード。いまは、読者さんからの抗議に戦々恐々。指輪シリーズで白詰草を知った人には信じられない作品だろうなぁ、もう。

でも、それでも、前編を上梓した頃に書いた「これまでの白詰草SS、ひいては神居鈴名義のオリジナル小説群となんら変わりない手順で構築し、なんら変わりない手法で執筆し、なんら変わりない信念で仕上げました」は、決して嘘偽りではありません。
本当に、この作品はいつもの書き方で書いています。何一つ、外れたところはありません。

むしろ、書いている時に常に念頭に置いていたのは『初心を忘れずに』だったくらいです。特に、核となっているテーマは、ずっと昔から追いかけていたテーマそのもの。ぶっ飛んだストーリー展開の中に、ほのかに漂う白詰草の香りを感じていただければ、作者としてそれ以上幸せなことはありません。

物語は徒花なれど、本作もまた、白詰草の大事な子供。できれば、他の子たちと同様、皆様に可愛がっていただけたらと思います。

さて、次作予定ですが…。極端なスラップスティックに走った後ですし、落ち着いた話を書きたいところですね。ずっと新作が出ていない指輪シリーズの新しいのを書きたいです。
いいかげん、出番を待っているキャラクターたちから、早く書け書けとせっつかれてもいますしね(笑。
最近はそれなりに仕事も落ち着いていますので、2ヶ月も3ヶ月も出ないなんてことはない…と思いますが(笑)。まぁ、ゆっくり待っていてください。

最後に、感謝の言葉を。
ずっと新作や続きが出ない間も、Web拍手には毎日カウントがありました。メッセージはなくとも、「読んでいるよ」という無言のメッセージがいつも届いていました。
単位時間から考えるに、一人で10回も拍手ボタンを叩いてくださった方もいらっしゃいました(しかも何度も)。
それが、どれだけ作者の励みになったことか。どれだけ温かく心に響いたか。原稿用紙を何枚費やしても、その嬉しさはとうてい表現できません。この場を借りて、最大限の感謝の意を表します。本当にありがとう。
これからも、そよ風が花を揺らすように、陽の光が温かく木々を照らすように、少しでも心に響く小説を書けるよう、努力していきたいと思います。
至らぬことの多い作者ですが、今後とも、末永くお付き合いいただけますよう、よろしくお願いいたします。

それでは。

文:白詰草

3月31日


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